「低用量ピルを飲みたいけど、種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」と悩んでいませんか?低用量ピルには一相性・三相性、第一世代から第四世代まであり、それぞれ効果や副作用の傾向が異なります。
この記事では、目的別の選び方と世代・相性の詳細比較で、あなたにぴったりの低用量ピルが見つかります。
低用量ピルとは?基本的な仕組みと効果
低用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を配合した経口避妊薬です。「低用量」とは、卵胞ホルモンの量が0.05mg未満に抑えられていることを指し、副作用のリスクが低く長期服用に適しています。正しく服用すれば避妊率は99.7%と非常に高い数値を誇ります。
排卵を抑制し、子宮内膜を薄く保ち、子宮頸管粘液の粘度を高めて精子の侵入を阻害する3つの作用で避妊効果を実現しています。避妊以外にも、生理痛の軽減(50〜80%改善)、経血量の減少(30〜50%減少)、PMS症状改善(60〜70%改善)、ニキビ改善など、多様な副効果が期待できます。
低用量ピルの種類|世代と相性で選ぶ
低用量ピルは、黄体ホルモンの種類によって「第一世代」から「第四世代」に分けられます。新しい世代ほど優れているわけではなく、それぞれ得意な効果が異なります。また、ホルモン量が一定の「一相性」と、3段階に変化する「三相性」があり、これを「相性」と呼びます。
さらに、使用目的によって「OC(避妊目的・自費)」と「LEP(治療目的・保険適用)」に分類されます。月経困難症や子宮内膜症の治療目的なら保険適用で月1,000円前後、避妊目的なら自費で月2,000〜3,000円です。
低用量ピルの分類表(世代×相性)
| 世代 | 一相性(OC) | 一相性(LEP) | 三相性(OC) |
|---|---|---|---|
| 第一世代 | — | フリウェル、ルナベル | シンフェーズ |
| 第二世代 | — | ジェミーナ | トリキュラー、ラベルフィーユ |
| 第三世代 | マーベロン、ファボワール | — | — |
| 第四世代 | ヤーズ、ドロエチ | — | — |
目的別の選び方|避妊・生理痛・PMSで最適な種類は?
避妊目的なら第三世代(マーベロン・ファボワール)
避妊をメインに考えているなら、第三世代の一相性ピル「マーベロン」または「ファボワール」が向いています。避妊率99.7%に加えて、男性ホルモンを抑制する作用が強いため、ニキビや多毛症の改善にも効果が期待できます。マーベロンは月2,800円前後、ファボワールは月2,600円前後です。
生理痛・過多月経なら第一世代LEP(フリウェル・ルナベル)
生理痛がひどく、経血量が多い場合は、第一世代LEPの「フリウェル」または「ルナベル」を検討してください。子宮内膜の増殖を強く抑制する作用があり、経血量を30〜50%減少させ、月経痛を50〜80%軽減する効果が期待できます。
月経困難症や子宮内膜症の治療目的であれば、医師の診断のもと保険適用となり、月1,000円前後で処方してもらえます。引用元:https://www.fuyukilc.or.jp/column/%E3%80%8C%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%96%BE%E6%82%A3%E6%B2%BB%E7%99%82%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%96%99%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/#:~:text=2020.10.06-,%E3%80%8C%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%96%BE%E6%82%A3%E6%B2%BB%E7%99%82%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%96%99%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6,-2020%E5%B9%B4%E3%81%AE
PMS改善なら第四世代(ヤーズ・ドロエチ)
生理前のイライラ・落ち込み・むくみが辛い場合は、第四世代の「ヤーズ」または「ドロエチ」が適しています。利尿作用のあるドロスピレノンが配合されており、PMS症状を60〜70%改善し、むくみが少ないという特徴があります。超低用量ピル(卵胞ホルモン0.03mg未満)に分類され、副作用が出にくい傾向があります。
引用元:https://www.mochida-sales.co.jp/dis/interview/frw_n18.pdf
世代別の特徴と代表的な種類
第一世代(シンフェーズ、フリウェル、ルナベル)
第一世代は、生理痛と過多月経の改善に特化した種類です。黄体ホルモンにノルエチステロン(NET)を使用しており、子宮内膜の増殖を強く抑制します。
代表的な種類は、OC(自費)のシンフェーズと、LEP(保険適用)のフリウェル・ルナベルです。
第二世代(トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ)
第二世代は、自然なホルモンバランスで副作用が少ない傾向があります。三相性で1シート内のホルモン量が3段階に変化し、女性の自然な生理周期に近いホルモンバランスを再現します。
代表的な種類は、トリキュラー(先発品)、アンジュ(先発品)、ラベルフィーユ(ジェネリック)です。
第三世代(マーベロン、ファボワール)
第三世代は、ニキビ改善効果が高く、避妊+美肌を両立したい人に人気です。黄体ホルモンにデソゲストレル(DSG)を使用しており、男性ホルモンを抑制する作用が強いため、皮脂の過剰分泌を抑え、ニキビや肌荒れの改善に効果が期待できます。
引用元:https://w1.med.cmu.ac.th/obgyn/files/2022/01/553-Jaisamrarn-2014-3.pdf
第四世代(ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ)
第四世代は、PMS改善とむくみの少なさが特徴です。黄体ホルモンにドロスピレノン(DRSP)を使用しており、利尿作用があるため、生理前のむくみや体重増加を抑える効果が期待できます。すべて超低用量ピルで、副作用が出にくい傾向があります。
世代別比較表
| 世代 | 黄体ホルモン | 主な効果 | 代表的な種類(OC) | 代表的な種類(LEP) |
|---|---|---|---|---|
| 第一世代 | NET | 生理痛軽減、経血量減少 | シンフェーズ | フリウェル、ルナベル |
| 第二世代 | LNG | 副作用少 | トリキュラー、ラベルフィーユ | ジェミーナ |
| 第三世代 | DSG | ニキビ改善 | マーベロン、ファボワール | — |
| 第四世代 | DRSP | PMS改善 | — | ヤーズ、ドロエチ |
一相性と三相性の選び方
一相性のメリット・デメリット
一相性は、すべての錠剤でホルモン量が一定です。飲む順番を間違えても効果が変わらず、生理日の移動もしやすいというメリットがあります。デメリットは、三相性と比べて体が慣れるまで副作用を感じやすい場合があることです。代表的な種類は、マーベロン・ファボワール(第三世代)、フリウェル・ルナベル(第一世代LEP)です。
三相性のメリット・デメリット
三相性は、1シート内でホルモン量が3段階に変化します。女性の自然な生理周期に近いホルモンバランスを再現でき、副作用が出にくい傾向があります。デメリットは、飲む順番を守る必要があることです。代表的な種類は、トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユ(第二世代)、シンフェーズ(第一世代)です。
一相性 vs 三相性 比較表
| 項目 | 一相性 | 三相性 |
|---|---|---|
| ホルモン量 | 全錠一定 | 3段階に変化 |
| 飲む順番 | 順不同 | 順番厳守 |
| 生理日移動 | しやすい | やや複雑 |
| 副作用 | やや出やすい傾向 | 出にくい傾向 |
低用量ピルの副作用と対処法
低用量ピルの副作用で最も多いのは、吐き気・頭痛・不正出血です。飲み始めの1〜2週間は、吐き気や軽い頭痛を感じることがあります。
不正出血は1〜3ヶ月程度続くことがありますが、ほとんどの場合、3シート目までに治まります。吐き気を軽減するには就寝前に服用する方法が有効です。頭痛がある場合は、鎮痛剤を併用しても問題ありません。3ヶ月経っても副作用が続く場合は、種類を変更することで改善する可能性があります。
副作用対処タイムライン
| 期間 | 予想される副作用 | 対処法 |
|---|---|---|
| 飲み始め〜1週間 | 吐き気、軽い頭痛 | 就寝前に服用、鎮痛剤併用OK |
| 1〜3週間 | 不正出血(少量) | 様子見、パッドライナーで対応 |
| 1〜3ヶ月 | 不正出血(減少傾向) | 3ヶ月は継続、改善しなければ種類変更検討 |
重大な副作用として、血栓症があります。血栓症とは、血液が固まって血管を詰まらせる状態で、発症頻度は1万人あたり3〜9人と非常に稀です。
注意すべき症状は、ふくらはぎの痛みや腫れ、激しい頭痛、胸の痛み、息切れ、視野の異常などです。これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。
費用と保険適用|OC(自費)とLEP(保険)の違い
低用量ピルは、使用目的によって「OC(避妊目的)」と「LEP(治療目的)」に分類され、保険適用の可否が異なります。
OCは避妊や生理不順の改善を目的とした自費診療で、月2,000〜3,000円、年間で2.4〜3.6万円かかります。LEPは月経困難症や子宮内膜症の治療を目的とした保険適用の薬で、3割負担で月1,000円前後となります。
費用比較表(OC vs LEP)
| 項目 | OC(自費) | LEP(保険適用) |
|---|---|---|
| 目的 | 避妊、生理不順 | 月経困難症、子宮内膜症の治療 |
| 費用(月額) | 2,000〜3,000円 | 1,000円前後(3割負担) |
| 代表種類 | マーベロン、トリキュラー、ファボワール | フリウェル、ルナベル、ヤーズ |
低用量ピルの飲み方と飲み忘れ対処法
低用量ピルは、生理開始日から1〜5日目の間に1錠目を飲み始めます。毎日同じ時間に1錠を服用することが大切です。就寝前に飲む人が多く、飲み忘れが少ない、吐き気などの副作用を寝ている間にやり過ごせるためです。スマホのアラームを設定しておくと、飲み忘れを防げます。
飲み忘れた場合、何錠忘れたか、第何週かによって対処法が異なります。1錠忘れた場合(24時間以内)は、気づいた時点ですぐに1錠を服用し、その日の分も予定通りの時間に飲みます。2錠以上忘れた場合(48時間以上)は、気づいた時点で1錠を服用し、7日間連続で服用するまでは避妊具を併用してください。
飲み忘れフローチャート
飲み忘れに気づいた
↓
何錠忘れた?
├─ 1錠(24時間以内)→ すぐ服用、当日分も予定通り
└─ 2錠以上(48時間以上)→ 1錠服用、7日間連続服用まで避妊具併用
低用量ピルを服用できない人(禁忌)
低用量ピルは、血栓症のリスクが高い人には服用できません。禁忌に該当するのは、35歳以上で1日15本以上喫煙する人、血栓症の既往がある人、前兆のある片頭痛がある人、妊娠中・授乳中の人、BMI30以上の肥満体型の人などです
セルフチェックリスト
- [ ] 35歳以上で1日15本以上喫煙している
- [ ] 血栓症(脳梗塞、肺梗塞、心筋梗塞など)の既往がある
- [ ] 前兆のある片頭痛がある
- [ ] 妊娠中、または妊娠の可能性がある
- [ ] 授乳中
- [ ] BMI30以上の肥満体型
- [ ] コントロールできていない高血圧・糖尿病・高脂血症
- [ ] 乳がんや子宮体がんの疑いがある
- [ ] 原因不明の不正出血がある
- [ ] 家族に血栓症の人がいる
禁忌に該当しなければ、多くの女性が安全に低用量ピルを服用できます。心配な場合は、婦人科で問診と血圧測定を受け、医師の判断を仰いでください。
低用量ピルの処方方法|婦人科とオンライン診療
低用量ピルは、婦人科での対面診察、またはオンライン診療で処方してもらえます。婦人科での対面診察では、医師に直接会って相談できるため、不安や疑問をじっくり解消できます。初診では問診票の記入、血圧測定、体重測定を行い、内診は基本的に不要です。その場で受け取れるため、即日服用を開始できます。
オンライン診療では、スマホやパソコンのビデオ通話で医師の診察を受け、自宅に郵送してもらえます。診察時間は10〜15分程度で、24時間以内に発送されることが多く、仕事や学業で忙しい人に人気です。
処方方法比較表
| 項目 | 婦人科(対面) | オンライン診療 |
|---|---|---|
| 診察方法 | 対面で医師と相談 | ビデオ通話(10〜15分) |
| 受取方法 | その場で受取 | 郵送(24時間以内発送) |
| メリット | じっくり相談できる | 通院不要、忙しくても利用可能 |
よくある質問(FAQ)
まとめ|自分に合った低用量ピルを見つけよう
低用量ピルは、世代(第一〜第四)と相性(一相性・三相性)で種類が分かれ、それぞれ得意な効果が異なります。避妊目的なら第三世代(マーベロン・ファボワール)、生理痛なら第一世代LEP(フリウェル・ルナベル)、PMS改善なら第四世代(ヤーズ・ドロエチ)を検討してください。
選び方のポイントは、まず自分の目的(避妊/生理痛/PMS)を明確にし、次に禁忌に該当しないかセルフチェックを行い、最後に婦人科またはオンライン診療で医師に相談することです。副作用は飲み始めの1〜3ヶ月で治まることが多く、飲み忘れ対処法を知っておけば安心して継続できます。
「種類が多すぎて分からない」と悩んでいた人も、この記事で紹介した選び方フローチャートと比較表を参考にすれば、自分に最適な低用量ピルが見つかるはずです。まずは婦人科またはオンライン診療で医師に相談し、安心して服用を始めてください。