旅行や結婚式、試験など大切な予定に生理が重なりそうなとき、ピルを使えば生理日をずらすことが可能です。生理を「遅らせる」方法と「早める」方法があり、予定までの日数や希望に応じて選択できます。
ピルで生理をずらす具体的な手順、受診タイミング、費用、副作用まで解説します。予定日から逆算して、いつ動けばいいかを把握しましょう。
ピルで生理をずらす「月経移動」とは
ピルを使って生理日を早めたり遅らせたりする方法を「月経移動」と呼びます。医師の処方のもと、計画的に服用することで生理のタイミングを調整できます。
月経移動に使用するピルには、主に中用量ピルと低用量ピルがあります。中用量ピルは短期間で確実に生理をずらしたい場合に使われ、低用量ピルは普段から服用している方が延長する際に使用します。
「ピル以外で生理をずらす方法はないのか」と疑問に思う方もいるでしょう。チョコレートやツボ押しなどの民間療法には科学的根拠がなく、確実に生理をずらせる方法はピルのみです。
月経移動は保険適用外の自費診療となります。産婦人科やオンライン診療で医師の診察を受け、処方してもらう必要があります。
生理を遅らせる方法
生理を遅らせる方法は、月経移動の中でも成功率が高く、予定日が近い場合にも対応しやすい方法です。中用量ピルを使用し、生理予定日の5〜7日前から服用を開始します。
服用の流れとスケジュール例
服用を続けている間は生理が来ず、服用をやめると2〜3日後に生理が始まります。最長で7〜10日程度、生理を遅らせることが可能です。
【カレンダー形式のスケジュール例】
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 7/15 | 本来の生理予定日 |
| 7/10 | 中用量ピル服用開始(予定日の5日前) |
| 7/10〜7/20 | 毎日1錠服用(生理を避けたい期間の最終日まで) |
| 7/20 | 服用終了 |
| 7/22〜23頃 | 消退出血(生理)が始まる |
「予定日まで1週間を切っているけど間に合う?」と不安になることもあるでしょう。生理予定日の5日前までに受診できれば対応可能です。ただし、余裕を持って1週間前までの受診が推奨されます。
遅らせる方法のデメリットは、イベント当日もピルを飲み続ける必要がある点です。副作用(吐き気など)が出た場合、イベント中に体調に影響する可能性があります。
生理を早める方法
生理を早める方法は、イベント当日にピルを服用する必要がないのが利点です。ただし、ずらしたい生理の1つ前の生理から準備を始める必要があるため、計画的な対応が求められます。
服用の流れとスケジュール例
ずらしたい生理の1つ前の生理が始まってから5日目までにピルの服用を開始します。10〜14日間連続で服用し、服用をやめると2〜3日後に生理が始まります。
【カレンダー形式のスケジュール例】
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 8/20 | 大切な予定(この日に生理を避けたい) |
| 7/23 | 1つ前の生理開始 |
| 7/25 | ピル服用開始(生理開始から3日目) |
| 7/25〜8/5 | 毎日1錠服用(12日間) |
| 8/5 | 服用終了 |
| 8/7〜8頃 | 消退出血(生理)が始まる |
| 8/12〜13頃 | 生理終了 |
| 8/20 | 予定当日(生理は終わっている) |
「早める方法は難しそう」と感じることもあるでしょう。確かに遅らせる方法より準備期間が必要ですが、予定の1ヶ月以上前から計画できるなら成功率は高いです。
早める方法のデメリットは、服用期間が長いため不正出血が起こる可能性がある点です。また、計画通りに生理が来ず、予定日に重なってしまうリスクもゼロではありません。
早める vs 遅らせる どちらを選ぶ?
「結局どちらがいいのか」は、予定までの残り日数や重視するポイントによって異なります。以下の判断軸を参考に、自分に合った方法を選びましょう。
判断のポイント
【判断フロー】
- 予定日まで2週間以上ある?
- Yes → 早める方法を検討
- No → 遅らせる方法を選択
- イベント当日にピルを飲みたくない?
- Yes → 早める方法がおすすめ
- No → どちらでも可
- 確実性を最優先したい?
- Yes → 遅らせる方法がおすすめ
- No → 早める方法でも可
【比較表】
| 項目 | 遅らせる | 早める |
|---|---|---|
| 準備期間 | 予定日の5〜7日前から | 1つ前の生理中から |
| 成功率 | 高い | やや低い |
| 当日の服用 | 必要 | 不要 |
| 急な予定 | 対応可 | 対応不可 |
「どちらが正解」という答えはありません。自分の状況と優先順位を整理し、医師と相談して決めることが確実な方法です。
副作用と注意点
ピルは安全性の高い薬ですが、ホルモン剤である以上、副作用のリスクはゼロではありません。主な副作用と対処法、服用できないケースを把握しておきましょう。
主な副作用と対処法
ピル服用で起こりうる副作用は、吐き気、頭痛、乳房の張り、不正出血などです。多くは服用開始直後に現れ、数日で自然に軽減します。
【症状別の対処法】
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| 吐き気 | 就寝前または食後に服用する |
| 頭痛 | 市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)の併用OK |
| むくみ | 水分を適度にとり、塩分を控える |
| 不正出血 | 自己判断で中止せず、服用を継続する |
症状が強い場合は、医師に相談すれば吐き気止めを処方してもらえることもあります。
「副作用が怖い」と感じる方もいるでしょう。しかし、月経移動は短期間の服用であり、副作用の多くは一時的なものです。服用をやめれば症状は消失します。
注意すべき副作用として血栓症があります。発症率は10万人あたり3〜9人程度で、妊娠中(10万人あたり5〜20人)と比較すると低い水準です。ただし、ふくらはぎの急な痛み、息切れ、激しい頭痛などの症状が出た場合は、服用を中止してすぐに医療機関を受診してください。
ピルを処方できない人
以下に該当する場合、ピルの処方が受けられない可能性があります。
- 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
- 血栓症の既往がある方
- コントロール不良の高血圧の方
- 前兆を伴う片頭痛がある方
- 乳がん・子宮体がんの疑いがある方
- 妊娠中または授乳中の方
該当するかどうか不明な場合は、診察時に医師へ確認してください。
